冠婚葬祭の法事で知っておきたいこと

冠婚葬祭の後にユニークな行事をした人

私の知人にご主人が芸術家だった人がいます。
長年の夢だった個展を開く準備をしていた矢先でした。
突然の病で、急逝してしまったのです。
本当に個展開催の直前でした。
私たち友人は、個展は延期するだろうと予想していたのですが、彼女は何と、予定通り個展を開催したのです。
冠婚葬祭の常識から言えば、もっと落ち着いてから、と考えるのですが、彼女はご主人の生前の意思を尊重したのです。
どんな行事でも、準備には相当のエネルギーが必要です。
葬儀を執り行った後も、さまざまな事務処理があるだろうに、すぐその後に執り行う個展の段取りをするのは大変だったと思います。

でも個展の初日に参観に行くと、そうした懸念は解消された気がしました。
彼の弟子だったデザイナーの作ったパネルは、明るい雰囲気を演出していました。
並々ならぬ才能を感じさせる絵画やイラストは、彼の死後もそのエネルギーを放出しているように見えました。
彼女の言わせれば、予定通りこの行事を行うことが、彼に対する一番の供養であるということでした。
冠婚葬祭は、もともと人生の大切な節目に行う行事です。
結婚式であろうが、成人式であろうが、本人も周囲も気持ちを新たにする日といえるでしょう。
そうした意味からすれば、彼女が個展を開いたのは決して場違いなことではないと言えます。
画廊を訪れた時、友人一同から送られた花が飾られていました。
彼女の思い入れを聞いた後は、葬儀から程ないこの時期にお祝いの花という逆説的な状況にも、私は何の違和感も感じなかったのです。